【GLOBAL NEWS24 JAPAN】
日本の宇宙開発が、再び深宇宙への大きな挑戦に向かっている。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、火星衛星探査計画「MMX(Martian Moons eXploration)」の打上げに向けた準備を進めている。
MMXの目的地は、火星そのものではない。
火星の周囲を回る二つの衛星のうち、大きい方の「フォボス」だ。
MMXは火星圏に到達した後、フォボスやもう一つの衛星ダイモスを観測し、フォボス表面への着陸と試料採取に挑戦する。
そして採取した試料を地球へ持ち帰り、研究機関で詳細に分析する計画だ。
成功すれば、人類が火星の衛星から試料を直接地球へ持ち帰る初めてのミッションとなる。
最大の科学的テーマの一つは、「火星の二つの衛星はどのように誕生したのか」という謎だ。
フォボスとダイモスについては、火星の重力に捕獲された小惑星であるという考え方や、巨大な天体が火星に衝突した際に生まれた物質から形成されたという考え方などが研究されてきた。
フォボスの実物試料を分析することで、その起源に関する重要な手掛かりが得られると期待されている。
さらに、この研究は火星や地球を含む太陽系の惑星がどのように形成され、進化してきたのかを理解することにもつながる。
日本には、世界的に高く評価されているサンプルリターン技術の実績がある。
「はやぶさ」は小惑星イトカワから、「はやぶさ2」は小惑星リュウグウから試料を地球へ持ち帰った。
MMXは、そこで培われた日本の探査技術をさらに遠い火星圏へ発展させるミッションでもある。
探査機の打上げを担うのは、日本の新しい基幹ロケット「H3」だ。
H3は、日本が宇宙への独自のアクセス手段を維持するとともに、国際的な衛星打上げ市場で競争力を高めるための重要なロケットとして開発されている。
MMXでは探査機の開発だけでなく、観測機器や科学研究などで国際協力も進められている。
現代の宇宙探査は、一つの国だけで完結する時代から、各国の技術と研究能力を組み合わせる時代へと変化している。
地球から火星へ。
そして火星の衛星から、再び地球へ。
フォボスの小さな砂粒が地球へ届けられる日、それは太陽系の歴史を読み解く新たな扉を開く可能性がある。
「はやぶさ」「はやぶさ2」に続く日本のサンプルリターン技術が、火星圏という新たな舞台でどこまで進化するのか。
世界の宇宙科学界から注目が集まっている。
GLOBAL NEWS24 JAPANは、日本の宇宙開発、科学技術、国際共同研究の動きを継続的に伝え、世界へ発信していく。